[個展] 2014.6.7 sat ~ 6.28 sat「信仰 the diaspora / the distance」
私たちは無宗教だろうか。
何かに困ったとき、誰に、何に祈願するだろうか?
祈る対象がある限り、そこには「信仰」が存在する。「宗教」の有無と別に「信仰」はありうる。
日本人の「信仰」は暮らしの中で、独自の美意識と哲学、霊性や空気を読む力、日常の慣習にひそむ無意識の精神として「カタチにできない」「言葉にならない」まま内包されてきた。
しかし、その多くが近代に輸入された「宗教」や「芸術」というフレームによって分解され、新たに上塗りされてしまった。風間天心は、現代日本の「信仰」を捉え直すために、近代以降に輸入された二つの概念を、自らの肉体から、そして日本の外側から、探りだす。
「宗教」とは、神を頂点としたピラミッド構造ー集団組織を運営し続ける為の維持システムである。
「芸術」とは、ヨーロッパの文脈上に存在を限定された、価値判断の更新システムである。
信仰
近代以降、異文化・異民族・異宗教との接触に晒され続け、震災以降いよいよその立ち振舞を問い直されている。われわれはどこからきて、どこへいくのか。われわれとは何者なのか。
「われわれ」を支え続けてきた「信仰」から、その所以と行方を探す二つの物語。
the diaspora
廃仏毀釈の煽りを受け廃寺になった目黒の名所「高憧寺」そこから北海道のお寺に亡命してきた
「金毘羅大権現」近代国家の政治に翻弄された神様の亡命経緯。
the distance
カトリックの大聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」へと続く1660kmの巡礼道を、托鉢により踏破する禅僧の記録。ユダヤ人のカメラマン Lukasz との共同作品。